さつきが上京し、中堅建設事務所で働くようになって一年が過ぎた。忙しなく動く周囲に馴染めない彼女の様子を、部長の紺野は日々苦々しく感じていた。ある日、さる大口仕事の件で実力者・西園寺からの呼び出しがあり、紺野はさつきを伴いその邸宅へと赴く。粗相が無いようさつきを嗜める紺野だが、西園寺の口から出た言葉は「この案件をさつき君に任せてみてはどうだ？」という、驚きの言葉であった。果たしてさつきの運命は？

遠藤由美子30歳。18歳で母が亡くなって以来、再婚相手である義父と一緒に暮らして来た。傍目には慎ましく暮らしている父娘家庭だが、その実態は夫婦そのものと言ってもよい状態である。それを世間には気付かれまいとひた隠しにして来た2人だが、夏が終わり秋の気配が濃厚に薫る今日、徳島から出て来ている叔父・五郎が寝ている隣の部屋で事を始めてしまう。しかし、その秘め事は五郎に丸聞こえだった…。

昭弘と夏希の夫婦は月に一度、夏希の実家へ顔見せに出向いている。新参者の昭弘にも分け隔てなく接してくれる一家との食事会は、施設育ちの昭弘にとって憧れた「家族」そのものであり、彼自身、既に楽しみの一つになっていた。…後日、妻の夏希が所用で実家に出向いている時、不意に義母・里枝子が自宅を訪問してきた。応対する昭弘だったが、里枝子の口から出た言葉は「年上は興味ない？」という扇情的な言葉だった…。

伊藤夏美が夫・誠一の父、宗男のところに通うようになって、既に一年が経つ。最初は、宗男が妻を亡くしたことで誠一の代わりに様子を伺いに訪れていたのだったが、老成し切った宗男の魅力に絆され、いつしか身の回りの世話どころか男女の仲にまで発展してしまったのである。宗男の老練なセックスで女の悦楽を味わう夏美。自分本位な夫と違い、勘所を突いてくる宗男に夢中である。そして二人は、最早避妊すらしなくなったのだった。

性に奔放な姉・咲から、パートナー交換の提案を受けた妹・真冬。欲求不満が顔に出ているとのことで、解消するにはパートナー交換が一番だと、姉は言う。確かに姉の指摘通り、真冬と夫は順調とは言い難い状態。原因は、夫の男性自身の調子が芳しくないからだ。戸惑いながらも、姉からの提案を夫に話してみると、意外にも夫はそれも悪くない、という態度。不安を覚えつつも、真冬は姉の提案に乗ってみることにした…。

中島千里が夫の秀夫と一緒になったのは四年前。千里は再婚、秀夫は初婚であった。結婚当初は秀夫の父と同居していたが、昨年他界し、今は二人で暮らしている。千里は秀夫の子を授かることを望み、秀夫自身もそっちの方は好きものなので、夫婦の営みは毎朝毎晩という具合である。夫婦仲は順調、円満そのものな二人の生活だったが、ある日、秀夫が峰岸という男を家に招くことになる。峰岸三郎…。彼こそが、千里の前の夫であった。